治療教育という道 その八

投稿日:2023年01月15日(日)

数年前、目黒の小さな公演会場に、懇意にさせていただいている黒川五郎教授が、ひとりの紳士を伴って現われた
 
岩間浩
(2022年12月現在)
 
1939(昭和14)年、東京都杉並区阿佐ヶ谷に生まれる。
幼少期に愛知県知多半島の新知に4年間弱滞在。1963年早稲田大学教育学部卒、同大学院文学研究科教育学専攻博士課程中退、芝浦工業短期大学助教授、芝浦工業大学助教授。1983年から89年まで米国に滞在し、1990年ペンシルベニア州立大学で、異文化体験が日本人中学生に及ぼす文化意識の研究でPh.D. を取得。この間3年間、セントラルペンシルヴェニア日本語補修校初代校長。1990年国士舘大学文学部教育学科教授。2010年退職後に『岩間教育科学文化研究所』を設立し新教育運動研究誌を発行中。長年新教育学会に所属し現在、新教育学会副会長
著書に、編共著『わかちあいの教育』(文芸社)、共著『未来を築く教育者たち』(コスモス・ライブラリー)、単著『小さな大使の異文化体験』(学苑社)、単著『空間の感覚』(丘書房)、単著『ユネスコ創設の源流を訪ねて』(学苑社)、単著『子どもの心理と生涯発達心理学』(学苑社)、編共著『学校空間の研究』(コスモス・ライブラリー)、自費出版書・単著『今を生きるーその意義の考察ー』、『見えないものこそ肝要』、『いのち輝いて生きる』、『いのち養いて生きる』、『シュプランガー断片』(以上オリオン出版)、『或る建築家の生涯』(雅出版)など。
翻訳書に、E.シュプランガー著『小学校の固有精神』(青山社)、シュプランガー著『教育のおける意図せざる副次作用の法則』(オリオン出版)。
(論文は省略)
 
私は、その礼儀正しく優しげな紳士が、本邦教育学界の重鎮であることに、その場では気づかず、ただただ、藝術を深く理解する観客が訪れてくれたことに感謝するのみであった
その後も一〜二度講演会や舞台公演にお越しいただいたが、ゆっくりお話をする余裕もなく、時は過ぎてしまった
 
医療現場も含めた、「自閉症」に対する、社会の余りの偏見や無理解に
危機感が募り、屋我地診療所の所長小野寺隆医師と私は、診療所のホームページに「自閉症」についての正確な知見を中心としたコラムを掲載することにした
その知らせに、いち早く反応されたのが件の岩間浩氏である
沖縄の小さな島にある診療所に、次のような美しい葉書が届いた
 
hagaki
 

この小さな、しかしこよなく美しい葉書が、私たちの心をどれだけ励ましてくれたかしれない
私は、黒川五郎教授にご仲介いただき、連絡を取った
即座にご返事があったので、無理と無礼を承知で、本コラムへの執筆をお願いした
再び即座のご返事、それも快諾をいただいた
藝術教育についての洞察深い内容である
次回掲載するので、お楽しみにお待ちいただきたい!
 
二○二三年一月十五日中国上海
屋我地診療所治療教育外来代表
川手鷹彦

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