治療教育という道 その十一

投稿日:2023年02月24日(金)

前三回の岩間浩先生との記事について、先生のご紹介者である黒川五郎教授から、以下の通り貴重な御感想をいただいた
尚、口述筆記は、一般財団法人《花の家》スタッフによる

 

大正新教育以来の自由な芸術教育思想に係る、今となっては古き良き伝統というべき人間成長の援助を促す教育の本来について、岩間先生と川手先生の真摯なやり取りが非常に素晴らしいメッセージとなっています。
今日のデジタル化した社会状況の中に忘れられがちな、非常に優れた示唆を与えていただき、一服の清涼剤のようにほとばしる訴えかけに、深く感銘しました。

子どもの情操や創造性を育まんとする、このような温かい眼差しこそ、古代ギリシャ以来の人間教育、パイデイアの息づきであり、現代〜未来教育文化の精神的なバックボーンとなるべきものとして、非常に勇気づけられました。

本邦教育学・教育哲学界の大家である岩間先生と、日中を始めとする世界人類の治療教育者として日々邁進する川手先生が、このような対談をされる事こそが、これからの教育に光を与えるものだと確信します。

余談として…
前々回、岩間先生の書かれた文章に登場した画家の石井柏亭は、私の祖父である黒川清之と、祖父清之が国立大蔵病院(現在の国立成育医療研究センター)の院長時代に、患者(クランケ)として長年関わりがありました。
私が幼い頃、祖父の書斎に石井柏亭の描いた「野尻湖」が飾られており、私はそれを眺めて育ちました。
治療教育と医療について言及する必要性を予感させられるものでした。

nojiriko

令和五年二月十七日
黒川五郎

 

以上、見事な思考である
多分現在本邦、いやアジア圏に於いて、哲学思考の知見と認識力で黒川五郎を超える人材はいないであろう
是非この機会に、当コラムに相応しい内容に限定して、黒川教授との質疑応答、対談、または往復書簡を実現したいと思う

二○二三年二月二十四日中国黄田古村
屋我地診療所治療教育外来代表
川手鷹彦

 

*挿入されている絵画は、文中に紹介されているものだが、現在も黒川邸の茶室に飾られている
因みに、長野県上水内郡に在る野尻湖周辺は、文化人や外国人に好まれる避暑地・静養地となっている

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